クリスタで写真をイラスト化 レイヤーやライン抽出を使った方法

クリスタの写真のイラスト化

クリスタの写真のイラスト化

クリスタ(CLIP STUDIO PAINT)は、写真をイラスト風に加工する機能が充実しており、背景作成などに役立つ…はず。

実際にクリスタを使って写真からイラスト調の画像を作る方法を試してみたい。

写真の読み込みと解像度の調整
まず、イラスト化したい写真をクリスタに読み込む。[ファイル]メニューから[読み込み]を選択し、[写真]を選んで目的の画像ファイルを開く。

読み込んだ写真レイヤーを選択した状態で、[編集]メニューの[画像解像度を変更]から解像度を調整します。漫画などに使う場合は600dpiくらいに設定するのがよさそう。

まず読み込まないと始まらないからな。

関連 クリスタの画像挿入

フィルタ機能を使ったイラスト化
クリスタには[フィルタ]メニューの[効果]にある[イラスト調]という機能があり、これを使うと写真を簡単にイラスト風に加工できる。

できるけど、なんていうか、そこまでイラストっぽくならないのだ。正直「これがイラスト…?」という感想を持つだろう。現代アートのできそこないというか、そういうものができる。

[イラスト調]ウィンドウで、線の太さや密度、色の諧調数などが調整できる。

レイヤーを使った加工
写真レイヤーの上に新しいレイヤーを重ねて、不要な部分を消したり、色を塗ったりすることで、よりイラストらしい雰囲気に近づける。レイヤーの合成モードを変更したり、不透明度を下げたりすることで、写真とイラストの中間的な表現が可能。

まあ、めちゃくちゃめんどうくさいんだけど、大幅に手動で描きかえたりしないと、写真はイラストにはならないよね…。

ライン抽出機能
CLIP STUDIO PAINT EXには[ライン抽出]という機能があり、写真から線画を抜き出すことができる。ライン抽出された線画は、そのまま使ったり、加工して背景に取り入れたりできる。

けど、これもやっぱり「コレジャナイ」感が強い。

「ライン抽出できてないじゃん」というケースのほうが多い。

仕上げの調整
最後に[色調補正]や[トーンカーブ]などを使って、イラスト全体の色味を調整する。メリハリをつけたり、統一感を出したりできる。仕上げはそれでいいんだけど…。

関連 クリスタのトーンカーブ

本当の意味で写真を簡単加工してイラストを作るのは無理だ。どうやっても、「これ、元は写真だよね」っていう感が残ってしまうからだ。

写真からイラストを簡単に作るには、画像生成AIを使うのが簡単

はっきり言って、画像生成AIに写真を渡して「これをイラストっぽくして」と指示するのが、一番簡単だ。クリスタ関係ない。

しかし、そんな画像をそのまま世に出すと、すっごい文句言われそうだなぁ。

関連 fooocusの使い方(一番操作が簡単な、Stable Diffusionという画像生成AI)

実は過去、クリスタにも画像生成AIを搭載する…という発表があった。

2022年11月、クリスタ(CLIP STUDIO PAINT)の開発元であるセルシスが、バージョン1.13.0で「画像生成AIパレット」という機能を試験的に実装すると発表。

この機能は、Stable Diffusionというオープンソースの画像生成AIを利用し、ユーザーが入力したテキストをもとにイラストの背景や簡単なデザインに使える画像を自動生成するものだった。

しかし、この発表後、多くのユーザーから以下のような懸念や批判的な意見が寄せられたのだ。

  • 現状の画像生成AIは著作権侵害の懸念があり、たとえ侵害していなくても誰かの著作物を利用して画像が生成されている
  • アーティストのためのツールであるクリスタに画像生成AI機能を搭載することで、アーティストの活動を阻害する可能性がある
  • 倫理的に問題のない学習データを使っていない可能性がある
  • クリスタを使っただけで「AI画像を使った」と疑われてしまう懸念がある

こうした意見を受け、セルシスは2022年12月2日、「画像生成AIパレット」の実装を見送ると発表。創作活動に携わるユーザーが安心して利用できる機能の提供に努めると表明。

関連 CLIP STUDIO PAINTへ画像生成AI機能を搭載しないことといたしました

その後、2024年2月にもセルシスはSNS上で、クリスタへの画像生成AI機能搭載の予定はないことを改めて表明している。