IBL Master Irayレンダリングの背景画像そのままで光強度だけブースト


IBL Master for Daz Studio 

イメージベース度ライティング(IBL)関連のツールなんだけど、説明読んでもよくわかんない、難解な目的のためのツール。

  • HDRI画像の方向合わせが、IRAYプレビューじゃなく、軽いtexture shadedでできる
  • 3Delight、Iray両方ともIBLベースのリアル感の高いレンダリングができる
  • IrayのHDRIドームの明るさは変えずに、オブジェクトに当たる光の強さだけを変えられる

目的がニッチすぎて、誰の心にささるのやらという感じ。

ただ、私は「IrayのHDRIドームの明るさは変えず、当たる光の強さだけ変える」というところが響いたのでゲットした。

付属物

本体は、IBLMasterというプロップだ。あとは、ドキュメント。「READMEはどこですか!」という質問が殺到したらしく、ここに置いたら見つけられんだろ?とばかりに、Smart ContentにPDF、ウェブドキュメントが開くスクリプト、プロップに画像で説明書きしたものの3種が入っている。

ちなみに、ウェブのマニュアルはここ。

IBL Master: Reinventing Image Based Light for Daz Studio, Iray, & 3Delight

あ、あと影受け用(シャドウキャッチャー)のシェーダ。

あくまでIBL用のツールで、ライト用の画像とか、HDR画像とかは付属していない。

使い方

シーンにHDR画像を適用する。

IBLMasterを呼び出す。

IBL Master Controlのパラメータ Y Rotateなどをいじると、背景のHDRI画像が回転できる。

プレビューモードをtexture shadedにしておくと、デフォではできない「軽いプレビューモードでHDRIの方向合わせ」が実現できる。地面のワイヤーフレームも表示されるので、3Dと写真の奥行きの傾きを合わせるのが簡単だ。

この状態で、Irayレンダリングと3Delightレンダリングを試すとこんな感じ。

背筋のモコモコがクッキリ出ている方が、3Delightレンダリング。背景画像はHDRではなく、ただのjpgだ。Irayで人物がのっぺりするのは、jpgでの光だと光のレンジが足らなくて、「薄曇り」みたいな光量になるせいらしい。

jpg使用の場合に限っては、Irayよりも3Delight+IBLMasterの方がよさげ。

Iray レンダリングの例 ブーストライトで光の強弱を手付けできる

HDRを使った場合のレンダリングはこうなる。まず、Irayレンダリング。

まあ、よく見る感じのやつ。

ここで、IBL Masterの機能「Boost Light」を使ってみる。これは、IBLの、上下前後左右からの光の強さを強くするというものである。

Parametersパネルで、IBL Master ControlのBoost Light 1 Geometryのプルダウンメニューをいくつか「Iray Disk」(円盤状のIray用強調ライト)に変更。

各色は、光の方向を示している。(名前にFRONTとかRIGHTとかついてりゃいいのに)

  • 赤 FRONT
  • オレンジ RIGHT
  • 黄色 BACK
  • 緑 LEFT
  • 青 TOP
  • 紫 BOTTOM

原理はイマイチわからないが、結果はこうなる。

いいじゃないか!人物が明るくなっている。それでいて、背景のHDR画像部分の明るさはそのままという理想的な感じ。

environmapにjpg指定すると、自分だけが暗くなるのだがBoost Lightを使うといい感じに明るくなる。


▲赤矢印は光の当たる方向

ブーストライトは重ね合わせも可能だ。

3Delightの例 ブーストライトでアート感が何故か出る

3Delightのレンダリングはこんな感じになる。

うん、だめな感じ。よくわからないけど、3DelightでHDRIを背景に使うとイケてない感じになるんだな。

今回は、Boost Lightに「3DL Disk」(3Delight用の円盤状強調ライト)を選ぶ。

結果はこう。

あれっ、なんかいい感じの劇画調みたいになったんですけど。背景も釣られて明るくなっちゃってるけど、何かしら使い道はありそう。

まとめ このツールは買いか?

いろいろ使ってみて思ったのは、コレやっぱりよくわかんないツールだなっていうことだ。少なくとも万人受けするツールではないだろう。

jpg画像を背景に、IBLにもjpg画像を使ってDAZフィギュアの合成写真を作りたいってときには、意外なほどぴったりハマると思うが、そんなことをしたい人が何人いるのやら。

個人的には気に入っているので、また良い使い方をしたら追記していくことにしよう。


IBL Master for Daz Studio