CrazyBumpは、1枚の画像からノーマルマップ(法線マップ)やスペキュラマップなどを生成するツールだ。
DAZ Studioでこれらのマップを適切に設定すると、テクスチャを貼っただけのポリゴンが、光のあたり具合で実際にデコボコがあるかのように光・陰影ができて、非常にリアルになるのだ。
とりあえず、今回作ったのはこれ。
フィーリングで作ったので、これで合ってるのかどうか知らないけど、なんかリアル感が出てる気がする。
ノーマルマップの作り方 / CrazyBumpとは
CrazyBumpは、シェアウェア。30日フル機能が試せて、継続して使いたい場合は99ドル払うとずっと使えるようになる。
1枚の画像からノーマルマップ、ディスプレイスメントマップ、オクルージョンマップ、スペキュラマップを生成するツールだ。
ざっくりした使い方は、公式サイトの動画を見れば、はぁはぁなるほど、そういう感じなのね…とわかると思う。
私は、以下の様な点がいいなと思った。
- 1枚の画像から、ノーマルマップやスペキュラマップを生成できる
- パラメータをいじった結果が即座にプレビューに反映されるので、フィーリングでパラメータ調整ができる
- 視点と光の当たる方向をマウスでグリグリ動かして、細かいこと考えずに使える
公式サイトの動画と比べると、実際にはPreview画面の表示のされ方が違う気がしたが、きっと些細な問題だ。
ノーマルマップの作り方 / CrazyBumpのインストール
Windows用とMac用がある。今回は、Windows版をWindows7にインストールしてみた。
Windowsのバージョンとか全然書かれていないけど、とりあえずWindows7では動いた。インストーラをダウンロードして実行すると、特に迷うこともなくインストール完了。
起動したら、左下の「Open」と書かれたアイコン(Click this button to begin)をクリックで、元になる画像を選ぶ画面が出てくる。
いろいろあるけど、とりあえず左上の「Open photograph from file」(ファイルから写真を開く)を選ぼう。
今回は、DAZ Studioから適当な小物(ハルバード?)のDiffuseに設定されている画像を指定してみた。
元ファイルを書き換えてしまわないように、適当なフォルダにコピーして作業するといいだろう。(※CrazyBumpは、元ファイルを書き換えない仕様っぽいけど、念の為)
すると、プレビュー見ながらパラメータ調整できる画面に切り替わる。グリグリぽちぽちしながら、好きなように調整しよう。
各種マップ画像を出力するには、画面下のSaveアイコンをクリックし、Save All Texturesを選択。
「Saveアイコンの、この絵ってなんなの?」という若い世代のために説明すると、これは3.5インチフロッピーディスクという太古の記録媒体である。
こんな感じでファイルが出力される。
ノーマルマップの作り方 / ノーマルマップをDAZ Studioに設定
ノーマルマップは単体で使っても意味がない。3DCGソフトのシェーダー設定などにノーマルマップとして指定することで、レンダリング時の立体感・リアル感が出せるというものだ。DAZ STUDIOの場合、出力された画像は、DAZ StudioのSurfacesで適切に設定するとレンダリング画像に反映される。
関連記事 DAZ STUDIOの使い方
Diffuse Colorのテクスチャにカラーマップを設定
CrazyBumpのDiffuseタブでパラメータをいじった場合は、元のDiffuseテクスチャが加工されて、xxx_COLOR.pngというファイルで出力される。カラーマップでいいのかな。
Surfacesで設定する場合は、Diffuse Colorにマップを設定する。
Normal Mapのテクスチャにノーマルマップを設定
ノーマルマップは「Normal Map」に設定。
Specular Colorのテクスチャにスペキュラマップを設定
スペキュラマップは、Specular Strengthに設定。Specular Colorがグレーになっている場合は、白(255,255,255)にしておいて、テカリすぎる場合にはSpecular Colorをグレーっぽくしていく…という調整をするといいだろう。
Dispacement Strength等にディスプレイスメントマップを設定
今回設定してないけど、ディスプレイスメントマップ(xxx_DISP.png)は、Displacement Strengthに設定する。
ディスプレイスメントマップは、ポリゴンを実際に変形させてデコボコを作るためのマップだ。
Maximum Displacementと、Minimum Displacementはデコボコの最大値と最小値を設定する。
なお、ディスプレイスメントマップはポリゴンが荒い状態だと見栄えが良くないので、サブディビジョンレベルを上げるなどしてポリゴン分割を深くしておく必要がある。(※ParametersのResolution Levelとかで調整できる場合もあるが、設定できないアイテムもある。このへんは今の私にはよくわからない)
オクルージョンマップを設定
入り組んだ形状の溝などにイイ感じの影を作るマップ。
フツーのShaderには組み込まれていないっぽいので、Shader Mixerで追加してやる必要あり。
手順は、いったん覚え書き程度に書いておこう。
- Surfacesタブで、対象のSurfaceを選択状態にする
- Window→Panes(Tabs)→Shader Mixerを呼び出す
- Shader MixerのFiles→Import From Sceneでシェーダーを取り込む
- Ambient Occlusion(Lighting→Shadows→Ambient Occlusion)を新規で作る。
- 「DS Default Material」のAmbient ColorにAmbient Occlusion(Lighting→Shadows→Ambient Occlusion)を接続。
- Image Map(Textures→Image Map)を新規で作る
- Ambient OcclusionのStrengthに、Image Colorを接続。
- Shader Mixerで「Apply」をクリックして変更を適用。
Surfacesタブに「Image」というパラメータが増えているので、オクルージョンマップ(xxx_OCC.png)を設定する。
後から見て「なんだImageって?」とわからなくなるに決っているので、本当はImage右横の歯車アイコンをクリックして、名前を変えておくのがいいと思う。
歯車アイコン→Parameter Settingsをクリックすると、Paramter Settings画面が出てくるので、Labelのとこの文字列を変更すればOKだ。
ノーマルマップの作り方 / ノーマルマップ生成できるソフトウェア
Zbrushでノーマルマップ
Zbrushには、ノーマルマップを生成する機能がある。DAZ Studioとの連携が容易なので、服のシワをつけるのに便利。だけど、美しいシワを入れるには、それなりに練習が必要そう。
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Photoshopでノーマルマップ
Photoshop CC2015以降なら、素でノーマルマップが作れるらしい。
フィルター→3D→法線マップを生成という、そのものズバリの機能あり。
Photoshopだけなら、サブスク料金も安いし選択肢の一つに入れて良いかも。
これとは別に、古いPhotoshopでも、NVIDIAの無料プラグインを使う方法もあり。
- NVIDIA Texture Tools for Adobe Photoshop NVIDIA製Photoshop用のノーマルマップ生成プラグイン。無料。
無料でノーマルマップ GIMPの無料プラグイン
- gimp-normalmap GIMP用のノーマルマッププラグイン。無料。
無料で使える画像編集ソフトGIMP用の無料プラグイン。
しかし、2012年で更新が停止していて、メインで使うには不安。
※試していない
オンラインでノーマルマップ作成できるサイト
お手軽にノーマルマップが作れるサイト。無料で使える。
ノーマルマップ以外に、ディスプレイスメントマップ、AOマップ、スペキュラマップの出力が可能。特に制限なく利用できるっぽい。
ノーマルマップ作成ソフト一覧
画像からノーマルマップを生み出すソフトとしては、CrazyBumpはかなり古いものらしい。DAZのフォーラムに、ノーマルマップ生成ツールの一覧があった。
- MindText2 UIが優れているノーマルマップ出力ツール。30日間無料試用可能、購入は1,980円。ゲームストアのSteamで購入可能。
- ShaderMap for Windows ノーマルマップ含む8種のマップを出力。49ドル
- SUBSTANCE DESIGNER 地形データを扱える。月額 19.9ドルから
- Quixel スキャン済みの各種マップを販売。Unreal Engineなどゲームエンジンで使われる? 月額19ドルから
- XNormal ノーマルマップとオクルージョンマップを出力するフリーウェア。Windows7以降用。
- Sprite Illumintor Normal Map Generator 2Dゲーム用、2D絵をやや立体的に見せる。ノーマルマップを出力。無料。
Normalマップを出力するだけなら、フリーウェアでも十分。ただし、パラメータを変化させながらプレビューしつつ調整するには、やはり有料版が必要になってきそうだ。
上記をざっと見た感じでは、Steamで買えるMindText2が、安くて高性能で良さそう。
ノーマルマップの作り方 / CrazyBump公式サイト
けっこうサクサク動く上に、フィーリングで操作可能な点が素晴らしい。
ただ、今から買うには99ドルはちょっと高い気がした。後発ソフトで、安くて高機能なものもけっこう出ている。