DAZ STUDIO PRO
いかにもプロ利用向けの有料っぽい名前。他に「アマチュア」とか「ベーシック」とかあんのかと思うかも知れないが、DAZ STUDIOと言えば、この「PRO」だけ。PROってつける意味なくない?
PROだけど、無料で利用できる。(リリース当初は有料だった)
DAZ STUDIO PRO(4.9以降)で追加された機能
DAZ STUDIOは4.9以降、バージョンアップ時に新機能が搭載されることがある。
バージョンアップごとの新機能について紹介してみよう。
DAZ STUDIO PRO 4.22 FaceTransfer2機能対応
品質が格段にあがった「FaceTransfer2」対応バージョン。DAZ Studio本体に機能が組み込まれているらしい。
フィギュアはG9限定、前髪など余分なものを自動的に消してくれるようになって、ハッキリわかる機能向上。まあ、これくらい違うんだったら、2として買い直す意味あるかも。
なお、購入しなくても3セーブまではスカシなしで新キャラとして保存できる。
DAZ STUDIO PRO 4.21 Ghost Light機能対応
以前、Irayレンダリングのバグを利用して実現されてた「ゴースト・ライト」が、正式な機能として使えるようになったバージョン。
DAZ STUDIOのデフォライトは設定しても真っ暗になるなど扱いが難しい。Ghost Lightは光源がほしい場所におくと、パッと明るくなるという直感で扱えるライトなのだ。
まあ、実際に使ってみないと、ほえーなにそれ何が便利なの?というものだけど、狙ったところを明るくするという当たり前のことを簡単な操作でできるようになるのだ。
だけど、以前実現できてた機能を、さらに新商品を買い直して実現するってことなので、なんか損した気分になる。
DAZ STUDIO PRO 4.20 VDB機能対応
ボリュメトリックオブジェクトというものが導入されて、見る位置を変えてもちゃんと立体に見える煙や雲、霧の表現ができるようになった。
以前は板ポリゴンに煙の絵を描いてごまかすというタイプが多く、回り込むと煙の厚みがなくなってペラペラになってしまったりしてた。
DAZ STUDIOのVDBの煙で遊ぶ
自動車と煙を重ねても、自然な感じ pic.twitter.com/9N8GGJYqPB
— かぶき (@kabukinger) March 1, 2022
VDB煙は通常ポリゴンと違う方式で表示されているらしく、煙と他の物体のポリゴンが重なっても不自然にならない点が良い。
だけど、動画には対応してなくて、せっかくの「どの方向から見てもちゃんと煙!ハリボテじゃないよ!」というメリットがあまり生かされてないように思う。いや、動画にはできるんだけど、その場合「止まった煙」という不自然なオブジェクトになってしまう。まあ、自動的にもわぁーと拡散する煙なんてーのは、Houdiniとかの高級動画編集ソフトじゃないと無理なのかも。
4.16~4.19までは更新サボってて、何が追加されたかよくわからなくなった。ごめん。
DAZ STUDIO PRO 4.16 MetaMixer機能追加
4.16の目玉はMetaMixer。3キャラのブレンドを顔パーツごとにおこなうことによって、お手軽にオリジナルキャラを生み出せるというもの。
MetaMixerは、無料プラグインとしてDAZ Studioに追加できる。
ただし、使いたいキャラを「Meta Mixer用プラグイン」として別途購入しなければならず、手持ちのキャラを自由にブレンドできるような自由度はない。
好きなキャラのいいとこどりで新キャラを生み出せる神機能になったかも知れないのだが、上記の販売形態のせいで、あまり広まらなさそうな気がする。
バージョンが進んだ現在…やっぱりというか、完全にスベッたらしく、今はあまり見かけなくなり、無駄機能がまたひとつ増えた。こうやってDAZ STUDIOは太っていくのだ。
DAZ STUDIO PRO 4.15 主にバグフィックス
特に何か画期的な機能が追加されたわけではないバージョン。
主にバグ対応。
内部的な処理を修正したとか、クラッシュする可能性がある箇所のソースを変更したとかそんな感じ。
新しいツールなど、DAZ STUDIOのバージョンが4.15以上じゃないと動かない場合に渋々アップデートする感じか。
DAZ StudioPRO 4.14 PBRプレビュー搭載
新機能が搭載された、大きめのアップデート。
新機能PBRのプロモーション動画がこちら。
PBRは3DViewの描画モードを「PBR」に切り替えればOK。
物理ベースレンダリング(PBR)プレビュー機能が搭載され、アニメーションのプレビューがリアルになった。静止画しか使わない人には、「なんかプレビューモードが一個増えた」程度だけども、動画派にとっては嬉しいかも。嬉しいのかな。
結局、私はPBRプレビューはほぼ使ってない。
4.11 Strand Hair機能搭載
関連 DAZ Studio 4.11 レビュー Strand Hair機能(dForce髪)搭載
よくあるかつら式の髪じゃなくて、一本一本物理計算する植毛式の髪機能が搭載。リアルなんだけど制御が難しいし、重いので人間の髪に適用する人は、あまり見ないかも。
動物の体毛とかの表現では、とても見事。
髪は結局、通常ポリゴンをdForce対応にしたタイプがメジャーになって、Strand Hairはあまり使われなくなった印象。(だって重いし)
DAZ Studio基本機能
基本的には、以下のことができる。
関連)DAZ Studioの使い方/チュートリアルと日本語化
- フィギュアを呼び出す
- 服、髪を着せる
- ポージング
- 背景や小物を呼び出す
- 描画
DAZ Studioの機能はバージョンアップごとに様々な機能が追加され、今では訳がわからないくらいてんこ盛りの機能になっている。ここでは、公式ページで紹介されている機能をいくつか紹介したい。
関節構造の曲げ範囲をブラシで塗って指定できる。
ポリゴンの変形具合の強度をブラシで塗った色の濃さで指定できるのだ。TRIAXペイントを採用。
ウェイトマップは正確に作りたい場合はPhotoshopなどで画像を作るケースがほとんどだが、「ざっくりと塗りの調整したい」とか「3Dオブジェクト見ながら、ウェイトマップのアタリをつけたい」場合に有効だと思う。
マシンスペックにもよるけど、まあ重くて使いづらい。
服作り用のツール。
フィギュア本体のモーフ構造を、服に転送するユーティリティだ。DAZ Genesisシリーズは関節の曲げのリアルさがウリだが、超複雑なモーフ構造の塊である。
フィギュア本体に合わせて、服のモーフを手動でつけていたら膨大な手間と時間がかかるため、このユーティリティを使ってフィギュアのモーフを服のモーフに転送するのだ。
服作りする人以外は使わないと思われる機能。
ポリゴンをグループ分けする機能。
人体モデルのポリゴンを持ち込んで、頭、胸、腹、肩、上腕、前腕…などにグループ分けするとき用。
以前はモデリングソフトがないと出来なかったが、簡単なものならDAZ Studio上でいじれるようになった。
けどまあ、モデリングソフトでやったほうが早いし、間違いもない気はする。
オリジナルフィギュア作成機能。
単なる3Dオブジェクトを関節構造を持つフィギュアに変換する機能。事前にポリゴンのグループ分けが必要。
ポリゴン情報(ジオメトリ)とフィギュアの関節構造(階層になっている)を紐付けて、ポーズが取れるように変換する。
オリジナルフィギュアや服作る人が使う…はずなんだけど、そうとう仕組みを熟知してないと、なんじゃこれ?となる可能性が高い上級者用の機能。
個別の関節を編集する。ボーンの関節パラメータ(ジョイントパラメータ)の作成、削除が可能。
直感的に動いてくれないのでまあ使いづらい。
昔、Poserというソフトと互換性を保つために作られたと思われる機能。
CR2(Poserのフィギュアデータ形式)でデータをエクスポートする。いちおう機能としてはあるけども、最新のGenesis8フィギュアをPoserにインポートしても、ちゃんと動かない。
今となっては微妙な機能かも。たぶん、最新版では正しく動くか検証されてないと思う。
フィギュアパーツやプロップのプロパティ属性の一括編集、および作成、削除、グループ化、順序付け、リンクを設定できるエディタ。Property Hierarchyという機能だが、フィギュア作成する人以外はあまり使わない。
複数のパラメータを連動して動くように設定する機能。1つのパラメータ(コントローラ)を動かすと、つられて複数のパラメータが動く。
フィギュア作成者用。
笑い顔のobjを作って読み込ませると「笑い顔」のパラメータができる…そういったことを実現する機能。
objデータに、モーフ情報をロードできる。モデリングソフトで変形後のポリゴン(モーフ)を作って、元データに適用する機能。
関連 daz studioのモーフ(Gensis8)の作り方は?
Proと名前がついているが、無料で利用できる。
高度すぎて、私のようなライトユーザには無縁の機能。
関節の曲げが連動するDAZ StudioのExPという機能のデータを出力する。オリジナルフィギュアを作る人以外には、あまり関係ないかも。私も使ったこと無い。
DAZ STUDIOのデータを他の3Dソフトに持ち出すためのツール。
FBXやobjなど一般的な形式でエクスポート・インポートしようとすると、DAZ STUDIOはほぼ100%失敗する。
Maya、Max、Blender、Zbrushなどのメジャーな3DCGソフトにDAZ Studioのフィギュアを持ち込むには、xx Bridgeと名がついた専用のエクスポート・インポートツールを使うのだ。
関連 DAZ Studio用Blender Bridgeで簡単インポート
ゲームエンジンUnity、Unreal Engine向けのBridge機能も搭載されて夢が広がる。
関連 Daz to Unity Bridge Unity用Bridge
関連 Daz to Unreal Bridge Unreal Engine用Bridge
どのBridgeも無料で利用できる。
ほぼまともに動かないFBXデータ形式での出力機能。
Autodesk製品用のFBXという形式でDAZ Studioの3Dデータをエクスポートする機能。いちおう機能としてあるのだが、ちゃんとした形でエクスポートするにはさまざまな調整が必要で、簡単には使えなかった。
ごめん嘘ついた。最終的には使えなくて「ダメだこれ」と諦めた。
今はFBXではなく、Bridgeを使ったほうが簡単で正しくインポートできる。以下は、FBXを使おうとして私が四苦八苦した記録。