DAZオブジェクトをZbrushで真っ二つに切断する方法

オブジェクトを斬鉄剣で切断したように、スパッと切って切断面を埋めるオブジェクトを作る覚書。

DAZ StudioとZbrushの連携でおこなう。

なお、切断面周辺のテクスチャが乱れるという欠点がある。単一のシェーダーを全体に適用して違和感なければ問題なく使えるのだが。

そのうち解決方法が見つかるかもしれないけど、そんな感じだ。

Zbrush連携してDAZオブジェクトを切断する手順

では、実際にやってみよう。

まず、DAZ Studio上に切断したいオブジェクトを呼び出す。今回は、海外の水道栓を呼び出した。
Viewportまたは、Sceneタブで対象のオブジェクトをクリックして選択状態にする。

画面上部のFileメニューから、Send to Zbrushを選択

GoZ Export Options画面が表示されるので、そのままAcceptをクリック

Zbrushが起動される。ライトボックスをクリックして、ファイル選択ウインドウっぽいやつを消す。

ここから先のZbrush操作は、以下のブログを参考にさせていただいた。

ZBrush4.0R2新機能 切断! SliceCurveの使い方: 受肉塾
ZBrush4.0R2は、マイナーバージョンアップという位置づけだが、たくさんの新機能が盛り込まれている。私もまだまだ把握できていないが、把握できた時点で、紹介してゆこうと思うシリーズ。第一弾(ってほど続くか?)は、SliceCurveだ。...
画面の1の箇所を画像と同じにする。ドローをオン、Aをオン、MRGBをオフにしておけば多分だいじょうぶ。Zbrushの中央部分でマウスをドラッグすると、オブジェクト(ここでは水道栓)がモコモコっと出てくる。

下記の画面の赤枠をクリック。最後はモアイをドラッグして、モアイが正面を向くようにする。
クリックが面倒とか、アイコンの場所わっかんねぇという場合はキーボードで以下のように操作すればOK。

T → F → SHIFT+F → モアイをドラッグだ。

水道栓が中央に大きく表示され、真正面を向いた状態になった。中央の何もない部分をドラッグで視点を操作できる。

Ctrl+Shiftを押しっぱなしにして、1の箇所をクリックし、Slice Curveを選択

Ctrl+SHIFTを押しながらドラッグして、切断したいように線を引く

なお、曲線にすることもできる。ただ、異次元感覚の操作方法で直感でこの方法にたどりつく人はそうそう居まい。私もぜんっぜんわからなかった。

  • Ctrl+SHIFT押しながらドラッグを開始
  • ドラッグをしたまま、Ctrl+SHIFTを離す
  • カーブしたい箇所でAltキーを押す。(ドラッグしたまま)
  • Altキーを押すごとに曲線の頂点ができる感じ。
  • ドラッグ解除で曲線確定

まあ、このチュートリアルでは無難に直線にしておくのがいいだろう。

なお、ここまでの手順でSHIFT+Fでワイヤーフレーム表示にしておかないと、画面に何も変化がないように見えて焦る。上記の画像のように、ワイヤーフレーム表示になっていれば、線がピッと入って、切れた感を実感できると思う。

ツール→サブツール→分割→グループ分割をクリック

さきほどのSlice Curveでは、ポリゴンが分割されただけで、まだオブジェクトは切断されていない。この操作ではじめて、「切断」されるのだ。

以下のようなメッセージが出てビビらされるが、OKをクリックして継続

ツール→サブツールに、切断した2パーツができている。2パーツの一番右端の目玉マークをクリックしてグレー表示にする。
キーボードの矢印キー上下を押して、パーツの下半分が表示される状態にする。

目玉をオフにしておくと、選択中のオブジェクト以外は非表示にすることができる。今回は、選択中のパーツだけ表示するようにして切断面を確認したいのでこのようにしている。

背景部分をドラッグして視点を変えてみると、切断部分は透明になっている。実はコレ、ポリゴンの裏側が見えている状態で、ポリゴンの裏側は描画されないため透明に見えるのだ。

ツール→ジオメトリ→トポロジー編集→穴閉じをクリック

開いていた穴が三角ポリゴンでサクッと埋まる。なんかキモチー。

キーボードの矢印キー上下を適当に押し、オブジェクトの上半分を表示させる。
ツール→ジオメトリ→トポロジー編集→穴閉じをクリックして、穴部分が埋まることを確認する。

オブジェクトの上半分を表示させる。(表示されていなければ、矢印キー上下で切り替えて表示させる)
ツール→GoZを選択

なんか、ズラズラメッセージが出るけど、気にせずにContinueをクリック

メッセージは、初回起動時には対応アプリを自動認識しにいくぞ、再認識したいときは設定画面から設定してね、みたいなことが書いてある。もう表示しなくていい場合は、Don’t show againをクリックすればOKだ。

DAZ Studioに制御が戻り、GoZ Import Optionsウインドウが表示される。そのままAcceptをクリック

頂点を追加せずに戻ってきた場合は違うウインドウが表示されるのだが、今回は切断を行ってもとのオブジェクトとは頂点数が変わってしまったため、「新規オブジェクトとしてインポートするぞ」というメッセージになっている。

オブジェクトの上半分が取り込まれた。

Zbrushaは閉じずに動いたままなので、再度Zbrushからオブジェクトの下半分を矢印キー上下で表示させ、GoZクリックで下半分もインポートする。

真っ白状態なので、マテリアルをコピーしよう。

Sceneタブにて、元の水道栓オブジェクトを選択、Surfaceタブにて、Surface名の上で右クリックして、Copy Selected Surfacesを選択。
Sceneタブにて、取り込んだオブジェクトを選択し、SurfaceタブにてSuface名の上で右クリック→Paste Selecte Surfaceを選択。

なお、Surface内が複数にわかれている場合はうまくコピーできないと思う。(コピー&ペーストしても反応なし)その場合は、オブジェクト全体にSmart Contentから適当なシェーダーを適用するなりしてみよう。

Smart Content→Shaders→Iray→Car Paintから、赤い車のボディ色っぽいやつを適用した例がこちら。

車もスパッと切って、単一のシェーダー(カーペイント青)を適用してみた。意外と悪くない。

こちらは、編笠をスパッと切断して、適当な黒布シェーダーを適用した例。質感は問題なさそう。

まとめ

  • ZbrushでDAZ Studioのプロップを切断したオブジェクトを作成可能。
  • ただし、切断面周辺はUVマップが狂ってテクスチャが乱れる。
  • 複雑なマテリアルは、そもそも復元できないケースもある。
  • その場合でも、単一シェーダー適用は可能。

ちょっと使い道は限定的だけど、新たな技が見つかったら追記することにして、今回の覚書を終わる。