妖怪人間ベム歴代特徴
妖怪人間ベム1968年オリジナル版の特徴
1968年にスタートした妖怪人間ベムの第1作は、日本アニメ史上最も革新的な作品の一つでした 。当時としては珍しい無国籍風のダークな世界観を採用し、従来の子供向けアニメとは一線を画する内容でした 。
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キャラクター設定では、ベムが50歳程度の壮年男性、ベラが成人女性、ベロが10歳程度の子供という組み合わせで構成され、彼らの人間態は指が3本、緑色の血液という特徴を持っていました 。妖怪形態では爬虫類や甲殻類を人型にした外見で、特にベラのみ赤い長髪という独特な設定がありました 。
声優陣では小林清志がベム役を担当し、その重厚で渋い声質が作品の雰囲気を決定づけました 。主題歌「妖怪人間ベム」は田中正史が作曲を手がけ、ダークでジャズ風のメロディーが特徴的でした 。「はやく人間になりたい」という印象的なフレーズとともに、最高視聴率20.6%を記録するヒット作となりました 。
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このオリジナル版の最大の特徴は、人間のために戦いながらも、その醜い外見ゆえに人々から恐れられるという悲劇的な設定です 。西洋的な異国情緒と無国籍な雰囲気が、当時の日本アニメにはない独特の世界観を生み出していました 。
参考)アニメ、リメイク版、実写ドラマに続き再びアニメ化 何度も甦る…
妖怪人間ベム2006年版リメイクでの進化と特徴
2006年に制作された『妖怪人間ベム -HUMANOID MONSTER BEM-』は、オリジナル版から38年ぶりの完全新作アニメでした 。この作品では、現代のアニメーション技術を駆使してキャラクターデザインが大幅に刷新されました 。
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最も顕著な変化は女性キャラクターのベラに見られます。2006年版では目が大きくなり、顔つきがより現代風にアレンジされました 。オリジナル版の妖艶で大人びた雰囲気は残しつつも、アニメファンにより親しみやすいデザインに変更されています 。
制作面では、うのまことがキャラクターデザインと総作画監督を担当し、現代的な作画技術でキャラクターの魅力を向上させました 。ストーリー構成においても、オリジナル版の基本設定を踏襲しながら、現代の視聴者に合わせた内容にリファインされています 。
この2006年版は、アニマックスで全26話が放送され、TOKYO MXでも再放送されるなど、長期にわたって愛され続けています 。オリジナル版のダークな世界観を維持しながら、現代のアニメーション技術で表現力を高めた過渡期の重要な作品として位置づけられています 。
妖怪人間ベム2019年版BEMの革新的な特徴
2019年に放送された『BEM』は、妖怪人間ベムシリーズ史上最も大胆な変革を遂げた作品です 。この作品では、従来の妖怪的な外見から完全に脱却し、より人間に近い美形キャラクターとしてデザインされました 。
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ベラの変化が最も劇的で、推定10歳以上若返り「アナベラ」と名乗る肌色の顔に赤髪、ミニスカートの女学生として登場します 。もはや妖艶な大人の女性ではなく、現代的な美少女キャラクターとして完全に生まれ変わりました 。ベロもヘッドフォンを付けた白髪の現代っ子という設定で、時代に合わせたデザイン変更が施されています 。
興味深いことに、オリジナルベラの要素は敵キャラクター「ベガ」に引き継がれており、青白い顔、黒髪、マントに濃いメイクという従来のベラを彷彿させるデザインが採用されています 。これは新旧ファンの両方に配慮した巧妙な設定変更と言えるでしょう。
この2019年版では、妖怪人間たちがより人間社会に溶け込んで生活している様子が描かれており、「人間になりたい」という根本的な願いにより近づいた設定となっています 。現代のアニメファン層を意識したキャラクターデザインと、社会問題を扱ったストーリー展開が大きな特徴です 。
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妖怪人間ベム歴代声優陣の変遷と特色
妖怪人間ベムシリーズにおける声優の変遷は、各時代の特色を色濃く反映しています。初代ベムを演じた小林清志は、『ルパン三世』の次元大介役でも知られる重厚な声質の持ち主でした 。
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小林清志の渋く威厳のある声は、オリジナル版の暗い世界観と完璧にマッチしており、「はやく人間になりたい」という切ない願いを込めたナレーションでも有名です 。彼の演技は妖怪人間ベムの代表的なイメージを決定づけ、後の作品でも度々ナレーションとして起用されています 。
参考)https://www2u.biglobe.ne.jp/~comefx99/star.htm
2019年版『BEM』では声優陣も一新され、より現代的なキャスティングが行われました。エンディングテーマをJUNNAが担当し、降谷建志(Dragon Ash)が楽曲提供を行うなど、音楽面でも現代的なアプローチが取られています 。
特筆すべきは、ギャグ作品『俺たちゃ妖怪人間』シリーズでは杉田智和、倉科カナ、須賀健太といった人気声優陣が起用され、主題歌にはラッパーのDOTAMAを迎えるという豪華な布陣が揃えられました 。これは従来のシリアス路線とは異なる、エンターテインメント性を重視した演出の現れです 。
妖怪人間ベム実写版とアニメ版の独特な違い
2011年に放送された実写ドラマ版『妖怪人間ベム』は、アニメ版とは大きく異なるアプローチを取った意欲的な作品でした 。最も注目されたのはキャスティングで、ベム役にKAT-TUNの亀梨和也を起用したことです 。
アニメ版のベムが40~50代のスキンヘッドの男性であるのに対し、実写版では若いアイドルを配置することで「イメージが違う」との声も上がりました 。しかし、制作陣の真摯な姿勢とキャスト陣の熱意ある演技により、第49回ギャラクシー賞を受賞する大成功を収めています 。
実写版の特徴は、「人間は不完全な生き物である」という深いメッセージ性を前面に打ち出したことです 。ベラ役の杏、ベロ役の鈴木福といった人気俳優陣により、最高視聴率18.9%を記録し、翌年には劇場版も制作されています 。
特殊メイクは『怪物くん』の梅沢壮一が担当し、スーツアクションによる妖怪バトルシーンも盛り込まれました 。この実写版は、アニメ版の世界観を現実世界に落とし込む際の課題と可能性を示した重要な作品として評価されています 。
参考)https://gift-for-loved-one.tokyo/rerun-drama-kazama-shunsuke