PR

キャメルクラッチ特徴と効果的な技術習得の極意

キャメルクラッチの特徴と基本技術

キャメルクラッチの基本要素
🐪

駱駝固めの基本構造

うつ伏せの相手に馬乗りになり顎を引き上げる関節技

背骨への効果

海老反りの体勢で背骨と首に強力なダメージを与える

🔒

腕の固定技術

両腕を膝上に固定することで脱出を困難にする


キャメルクラッチは、プロレス技の中でも特に視覚的なインパクトが強い関節技として知られています。この技の最大の特徴は、相手がマットにうつ伏せの状態で倒れているところに前向きに跨り、背中に腰を下ろして座り、相手の首(顎あたり)をクラッチしてぐっと反り上げる点です。

参考)キャメルクラッチ – Wikipedia

技を仕掛けている様子がラクダに乗って手綱を引いているように見えることから「キャメルクラッチ」という名称が付けられました。日本では駱駝固め(らくだがため)、馬乗り固め(うまのりがため)、腰挫体固(こしひしぎたいがため)などの名前で知られています。
相手の背骨を逆に曲げて破壊する技で、バックブリーカーの一種として分類されます。しかし、相手を担ぎ上げて背骨を軋ませるカナディアンやアルゼンチンバックブリーカーと異なり、相手の背中に乗っかって力任せに反らせて痛めるため、その破壊力が一等上に見えるのが特徴です。

参考)https://blog.goo.ne.jp/p_lintaro2002/e/3140c6650170c167a3ae875f7e2f31f4

キャメルクラッチの技術的なコツとやり方

キャメルクラッチを効果的に決めるには、正確な体勢と技術が必要です。まず、相手の背中の適切な位置に腰を下ろすことが重要で、腰の位置によって技の効き具合が大きく変わります。

参考)【女子プロレス技検証】キャメルクラッチ – 女子プロレス日和

基本的なコツとして、相手の背中に座り込み、相手の両腕を自分の膝上に固定することで脱出を不可能にします。この腕の固定が甘いと技から逃れられやすくなるため、しっかりと両腕を太ももにフックさせることが必要です。
技を決める際の手の位置も重要で、顎の部分を両手で持ってぐっと反らせるのが基本です。顎の固め方によってチンロックのダメージも与えることができ、引き上げる手を口部分に持ってくれば呼吸困難にも追い込めます。
また、お尻と脚の境あたりに腰を落とすと相手は上半身が垂直に立ち上がるようになり見た目のエグさは増しますが、関節技というよりストレッチ系の決まり方になってしまいます。腰、背中に座ると胸を張るような体勢になり背骨が反ってがっちり極まるため、効果を重視するなら後者が理想的です。

キャメルクラッチの効果的な脱出方法と防御

キャメルクラッチからの脱出は困難ですが、いくつかの方法が存在します。最も効果的な脱出法として、両手で相手の両足首をそれぞれ後ろから掴み、後ろへ引くと同時に相手の尻を上に押し上げるように上体を引き上げる方法があります。

参考)キャメルクラッチの脱出法教えてください!! – 両手で相手の…

この技の特徴として、ボストンクラブ(逆エビ固め)が足方向から相手の身体を曲げるのに対して、キャメルクラッチは頭方向から力を加えるため、ロープに逃れにくいというメリットがあります。そのため防御の基本は、技を仕掛けられる前の段階での対応が重要になります。

参考)キャメルクラッチ(ラクダ固め・カバージョ): FAIRY G…

技を防ぐコツとしては、うつ伏せになった際にできるだけ素早く起き上がる、または体勢を変えることで相手に技をかける隙を与えないことが挙げられます。一度技が決まってしまうと、両腕が固定されるため脱出の選択肢が大幅に制限されてしまうためです。

キャメルクラッチのプロレス史における特徴

キャメルクラッチの歴史を辿ると、この技を世界的に有名にしたのはメキシコの伝説的英雄エル・サントであると言われています。メキシコではこの技を「カバージョ」と呼び、Caballoとは馬のことで、相手に馬乗りになって固めるためにこの名称となっています。
プロレス界でこの技が注目されたのは、1983年12月26日にニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われたWWFヘビー級選手権試合においてです。この試合でアイアン・シークがボブ・バックランドからキャメルクラッチでTKO勝ちを収めてWWF王者となったことで、技の知名度が大幅に上がりました。
中東ギミックのレスラーが得意技として使用することが多く、ザ・シーク、グレート・メフィスト、シーク・アドナン・アル=ケイシー、アイアン・シーク、モハメド・ハッサンなど多くのアラブ系レスラーが使用していました。これは、ヒトコブラクダの原産地である中東という地域性を活かした技として定着したためです。
日本のプロレス界では、キン肉マンのラーメンマンの得意技として漫画で描かれたことで広く知られるようになりました。作中では「機矢滅留・苦落血」という当て字も使われており、多くのプロレスファンに印象を残しています。

キャメルクラッチの独自視点による現代的活用法

現代のプロレスや総合格闘技において、キャメルクラッチは古典的な技術として位置づけられていますが、その応用可能性は高く評価されています。特に、フィットネスやヨガの分野では、キャメルクラッチの動きを参考にしたストレッチ技術が開発されており、背中の柔軟性向上に効果的とされています。

参考)キャメルクラッチ!:2024年1月22日|全力ストレッチ 表…

また、治療的な観点から見ると、猫背や肩周りの硬さに悩む人にとって、キャメルクラッチの体勢を応用したストレッチは有効な改善方法として注目されています。ただし、これは専門指導の下で安全に行うことが前提となります。
プロレスの技術研究においても、キャメルクラッチは複合技や派生技を生み出しやすい基礎技として評価されています。柴田勝頼のクロス式キャメルクラッチや、ミスター雁之助の「涅槃」など、数多くの発展形が開発されており、技術の発展性の高さを示しています。
さらに、この技の心理的効果も見逃せません。技を掛けられている相手の苦悶の顔が正面に見えるため、観客への視覚的インパクトが強く、エンターテイメント性の高い技として現在でも重宝されています。これは他の関節技にはない独特の特徴として、現代プロレスでも活用価値があると考えられています。