DAZのポーズの基本
DAZ Studioのポーズツール、Active PoseとPowerPoseを組み合わせるとポージングがしやすいので覚書しておきたい。
人体フィギュアの関節はパラメータ操作で曲げることができる。しかし、直感的にポージングさせるためのポーズツールを使う方法が簡単だ。
DAZ STUDIOには2つのポーズツール、PowerPoseとActivePoseがあるが、どちらも一長一短。(ポーズツールを使わない「通常ドラッグ」でも一応ポーズはつけられる)
Active Pose…ドラッグ操作で直感的にポージング可能。しかし、パーツ選択が面倒
PowerPose…パーツ選択が直感的で最速。しかし、ポージングで曲げ方向が直感的に行かない。
試行錯誤した結果、PowerPoseで部位選択を行い、ActivePoseでポージングというハイブリッド方式がベストだと思った。
ポージングの準備として、ActivePose(骨っぽいアイコン)をオンにし、PowerPoseパネルを表示しておこう。
DAZのポーズツール:PowerPose
「Controls:」には、マウスの動きと関節の動きの対応表が表示される。上の例だとこんな感じ。選択するパーツによって内容が変わる。
- マウス左横ドラッグ…Twist ねじり
- マウス左縦ドラッグ…Bend 曲げ
- マウス右横ドラッグ…Side-Side 横に曲げ
- マウス右縦ドラッグ…Bend 曲げ
この場合、「マウス左縦ドラッグ」と「マウス右縦ドラッグ」は同じ機能が割り当てられてることになる。
もう一つ、強力なのが複数箇所に簡単にピンを打つ機能。
「ピン」というのは、パーツを固定する機能だ。以下で紹介するActive Poseと組み合わせることで威力を発揮する。
なお、ピンを打つときはActivePoseを有効にしておくと間違いないと思う。
DAZのポーズツール:ActivePose
Active Poseは、画面上部の「骨と矢印」アイコンをクリックで有効になるポージングツール。
ピン機能と組み合わせた、ドラッグによる指定パーツの平行移動が得意なツールだ。
素で使うと、他の部分が釣られて動いてしまうため、ピン機能との組み合わせが必須と言えるだろう。
▲右手だけ動かしたいのに、体も釣られて動いてしまう
体の固定は、PowerPoseのピン打ち機能を使う。PowerPoseのピン打ちは、ActivePoseでも有効になるのだ。
例えば、右足を動かしたい場合、体が釣られて動かないようにするためには腰と左太ももにピンを設定すればOKだ。
ドラッグ操作をするときに、専用のギズモを表示させる。
PowerPoseで選択状態になっているはずのパーツを、わざわざViewport上でクリックして選択状態にする必要がある。この機能はあまり使われていないのか?バージョンアップで改善されることを祈る。
ギズモの下図の部分をドラッグして、パーツ(今回は右足)を平行移動させてみよう。
このギズモの優秀な点は、ドラッグの判定領域が大きい、ということだ。クリックミスして選択解除されてキィー!となることが少ない。
このように、動かしたい箇所だけを平行移動できた!
スペースキーでピンを打って部位固定
ActivePose有効中は、スペースキーを押すと選択中パーツのピンのオン・オフができる。
親指一つでピンが設定・解除できるのは地味に嬉しい。
Powerpose上でCtrl+クリックのピン設定と組み合わせて使っていきたい。
ピンを一発で全解除 Clear Pins
Tools Settngs画面で「Un-Pin All」をクリックしてもOKだ。
DAZ Studioのポーズツール連携の不具合
ActivePoseとPowerPoseは、どうやら完全に連携するように設計されてないっぽい。以下の操作をすると、「ピンを打ったのに、有効になってない」という状態になることがある。
- ActivePoseをオフにする
- PowerPoseでピンを設定する
- ActivePoseをオンにする
再現したり、しなかったり。
また、Universalツールでも「ピン」が打てるのだが、どうやらPowerPoseで設定できるピンとは別物扱いっぽい。表示されるピンマークは同じなのに別物、というややこしさ。
PowerPoseが唯一連携相手として認めているのが、ActivePoseツールのようなのだ。
派閥でもあんのか。
左右対称ポーズ Symmetry
Daz Studioでポーズを左右対称(シンメトリー)にする方法は以下の通りです。
ポーズを付けたいフィギュアを選択。
Posingタブまたは Parametersタブを開き、オプションメニューから「Symmetry」を選択(ショートカットはShift+Y)。
Symmetryダイアログボックスが開くので、以下のように設定
- Nodes: シンメトリーを適用するノード。Rootはフィギュア全体、Selectedは選択中のノード
- Propagation: シンメトリー効果の伝達方法。Noneは選択ノードのみ、Recursiveは子ノードまで影響
- Direction: 変更の方向。Left to Rightは左から右へ、Right to Leftは右から左へ、Swap Left and Rightは左右入れ替え
- 設定後、Acceptボタンを押すと、指定した方向にポーズがコピーされ、左右対称のポーズが完成
体型が大きく異なるフィギュア間でポーズをコピーする場合は、Translationとスケールのチェックを外すと、関節の回転のみが適用されていい感じに(なることがある)。
DAZのポーズ集 ダブルクリックで簡単ポージング
格闘ポーズ集。二人で組む組み技系がいい感じ。
女子高生イチャイチャポーズ集。女子高生特有の仲良しすぎる二人ポーズ集。自転車、平行棒、学校机が付属していてアイテムを使ってポーズが多数。
表情ポーズのまとめ。デフォルトのもので十分じゃん、と思っていたが人間味あふれる表情集は魅力的に見える。
ポーズ集って微妙に高い…
ポーズ集はお手軽でとてもいいんだけど、地味に高い…。フィギュアごとに別データ買わないといけないし…。そこで、旧フィギュアのポーズを使い回せるコンバーターが便利。
セールで旧フィギュアデータは、めちゃ安になってることも多いので、コンバーター+旧フィギュアのポーズ集という手も有効。
まず、無料のツールだとこいつが優秀。対応フィギュアも幅広い。
関連)無料ポーズコンバーター G1、G2、G3、G8対応 DAZフィギュア用
ただ、G9対応がされてないので、G9メインでやってくなら、以下のような有料ツールを組み合わせる必要があるかも。
関連)Pose Companion for Genesis 9 DAZのG8→G9ポーズ変換
有料ポージングツール 特定の目的に役立つ特化型
DAZ Studioには、有料のポージングサポートツールがいくつか存在する。私が実際に使ってみて、便利だと思った順に紹介しよう。
Look At Me 指定物を見るポーズを作る
指定したオブジェクトやフィギュアの方向をフィギュアが見ているポーズを作り出せるツール。動かす範囲を頭、頭と首、頭と首と胸、上半身と変えられる。やっていることは単純だけど、手動でやるとめちゃめちゃ面倒くさいし適用したポーズはライブ感が出ると思う。
Breast Control おっぱいポージング自由自在
G8女性用の胸モーフ用ツールなのだが、Puppeteerというインタフェースで、胸を上下左右前後にドラッグ操作で動かせる。もうゲーム感覚。伸びた感じ、潰れた感じも表現できるので胸の柔らかさ表現の質があがりそう。胸のポージングモーフが目立つが、シェイプモーフも付属している。
Pose Architect 重心をキープした美しいポーズを作る
複数パーツを曲げるモーフフォーム集。スライダー一つで、首と頭、肩から手、胴体、腰から下をキレイなポーズを、重心をキープした状態で動かせる。複数のモーフフォームを適用しても重心を保ったままという謎技術だ。妙に躍動感のあるポーズが作れるが、狙ったポーズを作るにはバリエーションが足りない。アドオン必須か。
Glue To Floor Utility for Genesis 8 Female 足位置固定アニメ補助ツール
フィギュアの足の位置を、アニメーション中に完全固定するツール。適用するフレーム範囲を決めて、固定位置を足の裏、またはつま先を選ぶだけのシンプルなツール。だけど、このシンプルなことを実現するのに手作業だとめちゃめちゃ時間がかかるのだ。
Ultimate Pose Master ヘルパーを使った手足のIK的操作が可能
>Ultimate Pose Master 1画面完結型ユーティリティ
DAZ StudioのデフォルトのIK(インバースキネマティクス)機能がダメな感じなので、満を持して登場したポーズツール。ヘルパーというターゲットオブジェクトを使って、手、足、視線を狙った場所にピタリと置ける。それなりに使えるが、画面が文字だらけでフィーリングで操作するのは難しいかも。
DAZ Studioのポーズ まとめ
- ポージングは、Active Pose、PowerPose、ピン機能を駆使して行う
- Active Pose用のギズモを表示させるには、対象パーツをクリックしてSHIFTキー
- 特化型ポージング補助ツールを組み合わせると幅が広がる